テゾス(Tezos、XTZ)は日本の販売所で購入可能です。そこで、テゾスの将来性について客観データを用いて考察します。
期待を込めて…ならバラ色の将来性となりますが、それでは信憑性が今一つですので、できる限り避けます。
Contents
テゾスの将来性【調査項目】
ここでは、以下の諸点について調査します。
- 長期チャート
- DAppsの数
- 時価総額
長期チャートの形状が良ければ、市場参加者は将来性を高く評価しているという意味になりますし、テゾス上で開発されるDAppsの種類が多ければ、アプリ開発者から信頼を得ているという意味になります。
また、時価総額が大きければ、それだけその仮想通貨を保有している人が多く、かつ将来性に期待している人が多いと想定できます。
テゾス(Tezos)の長期チャート
最初に、客観データの最有力である長期チャートで値動きを確認します。
この種の分析をする場合、短期チャートでは不向きです。といいますのは、「どの期間のチャートで考察するか」により、どのようにでも評価可能になるからです。
(上昇トレンド部分を抜き出せば「将来性は抜群!」と書けますし、逆に下落トレンド部分を抜き出せば「雲行きは怪しい」と書けてしまいます。)
そこで、CoinMarketCapに掲載されている最大期間のチャートで値動きを確認します(下のチャート)。
上のチャートを見ますと、A~Cまで記号が振ってあります。これは、下のリンク先記事で用いたものです。
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ざっくりと解説しますと、仮想通貨上昇がバブルと表現された2017年末~2018年初めの価格をA、その後、2021年に付けた高値をB、その後の安値をCとしています。
下のビットコインのチャートと比較しますと、分かりやすいです。
ビットコインは、点Aで200万円越えを実現しました。その後、低迷する時期もありましたが、点Bで700万円前後になり、反落してCとなっても依然としてAよりも高値になっています。
この値動きを基準としてテゾスを見ますと、あまり良い状況ではありません。
値動き
- 点Bも点Cも、価格は点Aより下
要するに、ビットコインに比べて魅力がないということです。感情的に受け入れがたいという場合があるかもしれませんが、チャートを基準にして判断する限り、そうなります。
では、テゾスと同じスマートコントラクト機能を搭載している代表格であるイーサリアム(Ethereum、ETH)はどうなんだ?ですが、下のチャートの通りです。
ビットコインと似たような動きになっており、イーサリアムはビットコインと同程度の魅力であると評価できます。
チャートで判断する限り、テゾスの将来性はビットコインやイーサリアムに劣るだろうというのが、市場参加者の評価です。
DeFiプロジェクトの数
次に、DeFiプロジェクトの数で比較します。テゾスはスマートコントラクト機能を搭載しており、様々なアプリケーション(DApps)開発が可能です。
すなわち、テゾス上で開発されるアプリケーションの数が多ければ多いほど、アプリの基盤となっているテゾスは必要不可欠なものとなり、価格も安定(または上昇)しやすいという意味になります。
そこで、DAppsを多数掲載しているDappRadarに掲載されているアプリの数を確認しました。全てのDAppsがDappRadarに掲載されているわけではありませんが、大まかな趨勢を把握できます。
- Ethereum:2,388
- TRON:1,293
- BSC:1,168
- EOS:575
- Polygon:320
- WAX:79
- Steem:77
- Ontology:55
- Hive:39
- ThunderCore:37
- Tezos:36
- Waves:28
- Avalanche:20
- Telos:14
- NEAR:13
- RSK:13
- Flow:5
- BORA:4
これを見ますと、イーサリアム、トロン、BSC(バイナンス・スマート・チェーン)が他を圧倒している様子が分かります。それだけアプリ開発者に信頼されているということです。
その一方、テゾスは36にとどまっており、イーサリアム等との差は圧倒的です。この理由は不明ながら、プログラム開発者に魅力が十分に伝わっていない様子が分かります。
時価総額
次に、2021年8月3日時点の時価総額を確認します。すべての仮想通貨で比較することは困難ですので、スマートコントラクト機能を有する主な仮想通貨に絞って比較します(引用元:CoinMarketCap)。
また、括弧内の順位は、全仮想通貨を比較対象にした場合の時価総額順位です。
- Ethereum:31.5兆円(2位)
- BNB(BSCのガバナンストークン):5.8兆円(4位)
- Polygon:0.7兆円(17位)
- TRON:0.4兆円(26位)
- EOS:0.4兆円(29位)
- Tezos:0.2兆円(41位)
イーサリアム等と比較すると見劣りする場面が多いテゾスですが、時価総額順位は41位であり、1万を優に超える仮想通貨が登録されているCoinMarketCapの中で圧倒的上位に位置していることが分かります。
よって、どうにかしてアプリ開発者に魅力を理解してもらい、多くの優秀なアプリがリリースされれば、テゾスを利用する人がさらに増えて価格も上昇するのでは?と期待できます。
テゾスを保有すべきか
以上、3つの客観指標を使って検討してきました。結果、テゾスの市場評価はイーサリアムやBNB等と比べて大幅に低いものの、仮想通貨全体で見れば上位に位置しているという理解で良いでしょう。
そして将来、テゾスの評価が高まると期待する場合は、購入を検討できます。なぜなら、投資の基本は「安値で買って高値で売れ」だからです。この記事を執筆した時点で、イーサリアム等と比較して安いです。
また、スマートコントラクト機能を持っている仮想通貨を買いたいけれど、どれを買えば良いのか分からないという場合は、イーサリアムやBNBなどが最有力候補で、テゾスは2番手以下となるでしょう。
日本の販売所
ちなみに、テゾスは日本の販売所(bitflyer、GMOコイン)で購入できますが、実質的な手数料がひどく高いので注意が必要です。
下は、GMOコインの取引画面です。
- 購入価格:348.416円
- 売却価格:315.866円
これが意味することは、「348.416円で1,000XTZ買い、即座に全数量を売却したら、32,550円損する」という意味です。この損失は、GMOコインの収益の源泉となります。
買って売るだけで、10%に相当する損失が出てしまいます。スプレッド(=購入価格と売却価格の差)があまりに大きく、とてもではないですが国内販売所で買う気になれません。
ちなみに、GMOコインはまだマシで、2wayプライス(=購入価格と売却価格を同時に表示)を採用しています。bitflyerは2wayプライを採用しておらず、購入価格と売却価格を同時に表示しません。すなわち、顧客はスプレッドがいくらなのか分からないという仕組みになっており、高額な手数料を取る気満々です。
FX等と比べて仮想通貨の成熟度はまだまだ低い、と認識させられる事実です。
ならば、DeFiや海外取引所を使うべきか?ですが、自分で勉強する気力や能力がないなら、DeFi等を使うべきでないと言えそうです。なぜなら、そのような人はトラブルに遭う確率が高めになるからです。
勉強したくないユーザーは、手取り足取り支援してくれる国内販売所を使うのが安全です。スプレッドが巨大なのは、安心料として割り切って使うことになります。
ステーキング
その他、テゾスの魅力の一つにステーキングがあります。これは、特定の状態にして保有するだけで、仮想通貨(この場合はテゾス)を定期的に自動的にもらえるという仕組みです。
この仕組みは、トロンやエイダコイン(ADA)等でも採用されています。
なお、この仕組みは、ビットコインにおけるマイニングに相当するものです。個人がマイニングをするのはハードルが高いですが、ステーキングはとても簡単なので助かります。
日本の場合、GMOコインでテゾスを保有するだけで自動的にステーキングに参加できますので、とても楽です。ただし、ステーキングサービスの手数料(=GMOコインの取り分)が不明瞭です。
GMOコインのホームページには無料とありますが、これは顧客が明示的に支払う手数料が無料という意味であって、獲得した報酬のいくらかが控除されていると考えるのが自然です(GMOコインが取得する控除額もゼロです、とは公式サイトに書いてありません)。
この減額の可能性が嫌な場合は、自分でステーキングすることができます。具体的には、ウォレットで保管します。
ウォレット
では、どのウォレットが良いか?ですが、テゾスのステーキングに対応していればどれでもOKです。ここでは、Guarda Walletをご案内します。
Guarda Walletアプリの評価は下の通り4.4で良好ですし、ハードウェア・ウォレット大手の Ledger nano のホームページでも紹介されています。
以下、Guarda Walletでのステーキング方法をご案内します。
step
1Guarda Walletに移動
このリンクをクリックして、Guarda Wallet公式に移動します。
以下、画像はスマホアプリでご案内しますが、デスクトップ版も同じ作りになっています。
step
2アカウントを作成
「Create new wallet」(新しいウォレットを作る)をタップし、次の画面でパスワードを設定してください。
すると、以下の内容の表示が出ます。これは、「バックアップファイルを別途保存してください」というお願いです。ウォレット開発チームは各個人のアカウント情報を保有しませんので、仮にアカウント情報が失われると、永遠にウォレットにアクセスできなくなります。
それを回避するための措置です。「Download file」(ファイルをダウンロードする)をクリックすると、バックアップファイルをダウンロードできます。
今この手続きをしないで、後から「設定」部分からダウンロードすることもできます。
step
3テゾスを購入または入金
バックアップ画面を過ぎると、ウォレットのメイン画面が表示されます。
下の画像上にある赤枠1に「xtz」と入力して検索すると、テゾスの画面に移ります。このアプリでテゾスを購入する場合は、画像下の赤枠2「Exchange」をタップします。
step
4購入する場合
下は、購入する場合の画面です。上側に「現在自分が持っていて売りたい仮想通貨」下側に「テゾス」を設定します。そして、売りたい仮想通貨の数量を入力すれば、自動で取得可能なテゾスの数量が表示されます。
これで良ければ、画面下にある「Confirm」(確認)をタップして買います。
step
5送金&ステーキング
下は、ステップ3「テゾスを購入または入金」の画像にある検索窓でテゾスを検索した場合の画面です。画面中ほどを灰色で塗りつぶしていますが、ここにアドレスが書いてありますので、このアドレス宛に入金します。
そしてステーキングするには、下の画像上の赤枠「Staking」をタップします。
下は、ステーキング画面です。この画面を見ると、3日ごとに最大6%の報酬を得られることが分かります。この内容で良ければ、一番下にある「Stake XTZ」をタップします。その後、ステーキングする数量を設定して実行すればOKです。
なお、ステーキングと仮想通貨の送金は異なります。よって、送金したい場合はいつでも送金できます(送金したらステーキングは終了です)。
まとめ
テゾスの現状は、イーサリアムやBSC等と比べて劣勢であることは否めません。しかし、仮想通貨全体で見れば上位に位置しており、今後のDAppsの発展次第では躍進も期待できます。
その躍進を待つ間、ステーキングをして年率最大6%の報酬を得ることができます。単に価格上昇を待つ場合に比べて、自動的に保有量が増えていくので有利です。