DeFiの醍醐味は、設定して放置するだけで年率数十%~100%超の収入を見込めることです。そこで、今回はステーキングで稼ぐ仕組みについて確認します。
ファーミングで稼ぐ仕組みについては、下のリンク先記事で解説しています。
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DEXのファーミングで稼ぐ仕組み
DEX(分散取引所)で2つの仮想通貨を1組にして預けると、報酬として仮想通貨をもらえます。 これはファーミング(farming)と呼ばれ、利率がとても高いので人気を呼んでいますが、その仕組みとリスクを ...
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Contents
ステーキングとは
仮想通貨の世界でステーキングという場合、実際の使い方を見ていると用法は2種類あるように見えます。
- カルダノ(ADA)やトロン(TRX)などPoSを採用の仮想通貨
- DeFiトークン
そこで、それぞれについて意味を確認します。
PoSを採用している仮想通貨の場合
PoSは英語でプルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake)を意味し、仮想通貨のマイニング方法の種類を示します。
ビットコインなどはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)を採用しており、各コンピュータの演算力勝負でマイニングしますので、消費電力の大きさが問題視されています。
その一方、PoSにはいくつか種類がありますが、基本的な仕組みは「仮想通貨の保有量が多いと、その分だけマイニング成功確率が高くなる」であり、消費電力を圧倒的に減らせるのがメリットです。
そして、マイニングしようとする人(=バリデーター)は設備を整えて実行するのですが、マイニングまでする気はないというライト層は、自分が保有している仮想通貨のマイニング能力部分をバリデーターに貸して、マイニング報酬の分配を受けます。
これを、ステーキングと呼びます。
そして、ADAやTRXなどの仮想通貨では、一般的に年率5%前後の大きさで仮想通貨を得ることができます。
下は、カルダノ(ADA)のあるマイニングプールの報酬利率推移です。横軸はエポック(epoch)と呼ばれる計算期間で、赤の折れ線グラフは、各エポックでどれだけの収益率があったかを示しています。
各エポックごとに上下動がありますが、平均すると年率5%くらいに収まっていることが分かります。他の仮想通貨でも、おおよそこれくらいの利率です。
このステーキングに参加する理由について、報酬目当てというのはもちろんありますが、それに加えて、マイニングの分散化に貢献してその仮想通貨の健全な発展に寄与したい、という意図も小さくありません。
DeFiのステーキング
それに比べて、DeFiのステーキングはユーザーの意図がはっきりしていて、「仮想通貨を稼ぎたい」この一点ですのでとても分かりやすいです。
そして、収益率は年率で数十%~100%以上となり、上の項目で確認したADAやTRX等とは桁違いの大きさになります。これが、DeFiの人気を支えています。
また、もらえる仮想通貨も多彩なのが特徴です。下はパンケーキスワップのステーキング画面(一部)ですが、ガバナンストークンであるCAKE以外にも、数多くの種類から選べることが分かります。
用語:ガバナンストークン
ガバナンストークンとは、そのシステム内で中心的な役割を果たす仮想通貨を指します。パンケーキスワップのガバナンストークンはCAKEです。
また、赤枠で囲った部分を見ますと、とても高い年率で稼げることが分かります。
稼ぐという視点でDeFiのステーキングを見ますと、その特徴は、多彩な仮想通貨をもらえるという点と、収益率がとても高いという2点です。
多様な仮想通貨をもらえる理由
では、このような多様な仮想通貨をもらえる理由は、何でしょうか。それは、仮想通貨を開発している会社が提供してくれているからです。
世の中には、仮想通貨が溢れています。新規に仮想通貨を開発した会社等は、自分が作ったものが最良だという自負を持っているでしょうが、一般のユーザーから見てその良さは分かりづらいです。
すると、せっかく新規開発しても、他の仮想通貨の中に埋もれてしまって、期待した通りの成果を挙げられない可能性が出てきます。
それを避けるために、DeFiのステーキング報酬として使ってもらう戦略を採用します。
なお、多くの人に知ってもらう方法として、エアドロップがあります。しかし、配布しても気づいてもらえない場合があったり、もらえる人を1,000人といった感じで限定すると、広報効果が不十分になったりするかもしれません。
用語:エアドロップ
エアドロップとは、仮想通貨の無償配布です。特定の瞬間にイーサリアムなどを持っていた人全員に配布する方法や、ツイッターなどでリツイートしたら抽選で配布する方法などがあります。
その点、DeFiのステーキング報酬としての分配ならば、効果が大きいです。理由はいくつかあります。
まず、DeFiに参加している人は、仮想通貨に対して高い関心を持っています。また、配布総数は決まっているものの、欲しいと希望する人全員に配布できます(希望者が多くなればなるほど、一人あたり配布数量は減る)。
さらに、配布期間は1か月~数か月に設定できますから、特定の瞬間に条件を満たしたら配布しておしまいという場合に比べて、ユーザーの関心を惹きつける期間が長くなります。
以上の理由により、DeFiのステーキングで多様な仮想通貨をもらえます。
DeFiのステーキング戦略
では、パンケーキスワップを例にして、どのような戦略を作れるか検討します。
戦略1:CAKEをもらい続ける
パンケーキスワップのガバナンストークンであるCAKEをもらい続ける、という方法です。
この方法のメリットは、一点集中型でCAKEをもらい続けることにより、CAKE価格が大きく上昇する際に利食い額を大きくできることです。
また、その他の仮想通貨をもらいませんから、管理しやすい(CAKEだけ見ていれば良い)という気軽さもあります。
戦略2:草コインを複数もらい続ける
次の案は、CAKEでなく草コインをもらい続けるという案です。既に確認しました通り、パンケーキスワップのステーキングでもらえる仮想通貨は、新規開発されたものが中心となりますから、いわゆる草コインです。
そして、配布期間は1か月~数か月くらいですから、その間にできるだけたくさんもらいます。配布期間が終了したら、別の草コインをもらいます。
なお、この方法を使うにはCAKEを使ってステーキングしますが、1つの草コインに限定する必要はありません。すなわち、CAKEをいくつかに分割して、同時に複数の草コインをもらい続けることもできます。
仮に、CAKEを2つ分割して同時に2種類もらい、同一銘柄の配布期間は2か月だとしましょう。この場合、1年間で12種類もらえることになります。
これだけあれば、1つくらいは価格が100倍以上に化けてくれるかもしれません。
戦略3:上の2つを同時に実行
たくさんの草コインをもらおうと思えば、たくさんのCAKEをステーキングする必要があります。ところが、CAKEを全て草コイン獲得に投入してしまうと、CAKEが増えないので面白くないかもしれません。
そこで、一部はCAKE獲得のために使い、残りを草コインに充てるという戦略を検討できます。こうすれば、CAKEを増やしながら、多数の草コイン獲得を目指すことができます。
CAKEが増えれば、その分だけ草コインをたくさんもらえます。
戦略4:ファーミングと組み合わせる
このほか、ファーミングと組み合わせるという方法もあります。
ステーキングで草コインを獲得したら、それとBNB(バイナンスコイン)を組み合わせてファーミングして、CAKEを獲得します。そのCAKEを使ってステーキングして、CAKEや草コインをさらに獲得します。
そして、獲得した草コインを使って、BNBを組み合わせて…(以下繰り返し)。
この方法を使うと、獲得した草コインを有効活用できるメリットがあり、複利運用の考え方を使って稼ぐことができます。
まとめ
DeFiのステーキングは利率が高いので、あまりに凝った方法を考えなくても、時間とともに仮想通貨が増えていきます。
よって、あまり忙しすぎない方針を決めたら、あとはのんびりと増えるのを待つくらいの感じでも良さそうです。