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DeFi詐欺等の被害額を分析:2021年8月

2021年8月29日

仮想通貨分野、特にDeFiを調べると、実に簡単にscamを見つけることができます。そこで、実際の被害額はどうなっているのか?という統計情報を確認しつつ、scam回避方法を考察します。

DeFi詐欺等の被害額統計

データや画像の引用元はCIPHERTRACEホームページで、そこで得られたデータを基に考察を進めます。

また、DeFiだけ見ると全体像が見えづらいので、仮想通貨全体や日本の犯罪とと比較しながら考察します。

仮想通貨全体

最初に、仮想通貨における主要な窃盗・ハッキング・詐欺の被害額の推移を確認しますと、下の通り急減しています。各国の規制強化に加えて、ユーザー側の知識が高まってきたことが原因かもしれません。

仮想通貨詐欺

  • 2019年:45億ドル
  • 2020年:19億ドル
  • 2021年:0.681億ドル

金額はとんでもなく巨大ですが、明らかに減少しています。では、この金額はどれくらい大きいか?ですが、日本の犯罪白書で2019年の財産犯(強盗・窃盗・詐欺などの合計)を確認しますと、被害額はおよそ1,190億円でした。

2019年の全世界の主要な仮想通貨詐欺等の被害額は45億ドル(5,000億円弱)ですから、大変な金額だと分かります。

しかし、2021年には0.681億ドル(70億円台)に急減しており、日本の財産犯の被害額と比べると「その他の犯罪」という感じで脇役になりそうな勢いです。

上の画像のタイトル:仮想通貨詐欺は減少の一方、DeFiハッキングは増加を続ける

とはいえ、上のグラフのタイトルの通り、DeFi関連の犯罪は増加していることが示唆されています。そこで、もう少し詳しく見ていきます。

DeFiハッキング

下のグラフは、DeFi関連のハッキングに限定した被害額です。

DeFiが世の中に広がったのは2020年ですから、2019年にDeFiで犯罪行為をしようと思ってもできません。このため、2019年のDeFi被害額は0ドルとなっています。

DeFi詐欺被害額

上の画像のタイトル:DeFiハッキング被害額は、2021年の主要なハッキングの76%を占めている

2019年を見ますと、DeFi被害額は0ドルでその他は3億7,100万ドルとなっています。為替レートによって円換算額は変わりますが、概ね400億円弱が仮想通貨分野で盗まれたということですから、大変な数字です。

こちらも、日本の犯罪と比較しましょう。同年(2019年)の日本の特殊詐欺(いわゆるオレオレ詐欺)の被害額を確認しますと、315.8億円でした(引用元:警察庁ホームページ)。

世界全体でなく日本だけの、そして数ある犯罪のうち特殊詐欺に特化した被害額と肩を並べるくらい…それが、仮想通貨のハッキング被害額です。そう考えると、金額自体は巨額ながら、世界全体の中で考えると小さな割合だと言えそうです。

DeFiハッキング被害の推移

上のグラフを見ますと、DeFi被害額が占める割合がどんどん大きくなっています。そこで、DeFiハッキングの被害額と仮想通貨全体に占める割合を数字にしますと、以下の通りです(2021年は1月から7月まで)。

  • 2019年:0ドル(0%)
  • 2020年:1億2,900万ドル(25%)
  • 2021年:3億6,100万ドル(76%)

被害額が一気に大きくなっている様子が分かります。それに伴い、全体に占める割合もうなぎ登りで、2021年は全体の76%を占めるまでになっています。

このまま放置することはできませんので、世界各国がルール策定を急いでいます。

DeFi詐欺

次に、DeFi詐欺の様子です。下のグラフの通り、仮想通貨全体の詐欺被害額が急減していることが分かります。

DeFi詐欺被害額

DeFi詐欺の被害額と仮想通貨全体に占める割合を数字にしますと、以下の通りです(2021年は1月から7月まで)。

  • 2019年:0ドル(0%)
  • 2020年:4,100万ドル(0.03%)
  • 2021年:1億1,300万ドル(47.6%)

上の画像のタイトル:仮想通貨全体の詐欺被害額は減少も、DeFi関連の詐欺は3倍に

2019年の詐欺被害額が巨大なため、2021年が誤差のような小ささに見えますが、2021年のDeFi関連詐欺は1億1,300万ドルでその他の詐欺は1億2400万ドルです。

DeFiの被害額はその他全体を追い越そうという勢いになっています。

DeFi詐欺等に遭わないために

以上の概観から分かるのは、仮想通貨の犯罪はDeFiが主戦場になっているということです(仮想通貨には様々な分野があるのに…)。そこで、いかにしてこの詐欺を回避すべきか?が重要になります。

日本国内での詐欺等と異なり、DeFiでお金を盗まれたら、手元に戻ってくる可能性はゼロに近いと覚悟する必要があります。

最も安全確実なのは、DeFiに自己資金を投入しないことでしょう。しかし、この分野で楽しみたいので採用できません。例えるなら「交通事故に遭うのが怖いから、家から一歩も外に出ません」に近くなってしまいます。

かといって、難しいことをしようとしても限界があります(自分でマスターシェフ・コントラクトを分析するのは、一般的には困難です)。よって、基本的ではありますが重要な点を確実に抑えることが大切になります。

  • DeFiプロジェクトの事前調査(audit・実績・SNSでの開発者の活動ぶりなど)
  • パスワードの厳格な管理
  • 送金時のエラー回避対策(最初は少額送金、無事に着金したら残りを送金など)
  • 儲け話を持ち掛けるDM等は無視(儲かるなら自分だけでやれば?という感じ)

こういった対策を取っても、100%の回避は困難ですから、投入金額を少額に抑えることも大切になりそうです。

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